映画が苦手だ。
もちろん、見るときは見るし、楽しめることも多いのだが、自分からはあまり見ようとはしない。
2時間も画面を見てただ座っていることに耐えられないのである。
というか、座って映像を見ること自体に激しい苦痛を覚えるので、2時間どころか30分のアニメですら滅多に見ることはない。テレビはそもそも見ない。
YOU TUBEの15分程度の動画でも結構ギリギリだ。
家で何かしらの映像を見るときは、まず間違いなく他のことをしながら見ている。
ツイッターをしたり、ブラウジングをしたりすることで注意を分散しながらでないと見ていられないからだ。
なぜだろう、と考えたとき、自分なりの一つの答えとしては、「そもそも集中力がない」のだと思う。
映画に限らず、一つのものに向かい続けることができないのだ。
小説を読みながら動画を見る、ゲームをしながらラジオを聴く、写真を編集しながら音楽を聴く……というように、僕は何か作業をしているときたいてい他のことを同時にしている。
目と耳をそれぞれ別のものに向けているのが当たり前になっているために、画面を見ながら音も聴く必要がある映画が耐えられないのだろう。
もう1つの答えとしては、「作り手のペースに任せるのが苦痛」なのかもしれない。
例えば写真撮影という趣味は、自分が主体になって自分で動きながら楽しむものだ。
被写体によってはシャッターチャンスが来るまでじっと待ち続けなくてはならないこともあるが、基本的には自分のペースで進めていくことになる。
これが読書になると、もちろん書き手が書いた文章を追っていくことになるのだが、その読み進めるペースは完全に読み手に委ねられる。
1ページに3分かける人もいれば、30秒で読み進めてしまう人もいる、ここに受け手が自由に楽しむ余地がある。
映画の場合、作り手が作った映像をひたすら目と耳で追っていくことになる。
読書と違うのは、受け手が見るペースを調節する余地がほとんどないという点だ。
自宅でDVDなどで見る場合には、再生速度を多少調節することもできなくはないが、セリフが聞き取りにくくなってしまうし、映画を加速して見ている人がいたら「変わり者」扱いされてしまうのはほとんど避けられないと考えられる。
こういった、映画特有の融通の利かなさが、僕が苦痛を感じる原因となっているのだ。
と、ここまで「僕が映画が苦手な理由」を話してきたが、最初に言った通り、見るときは見る。
一昨年は映画館で3作見た。
「シン・ゴジラ」「君の名は。」「プラネタリアン」の3作である。
「シン・ゴジラ」はなんとなく評判だったので1人で見に行った1回。
「君の名は。」は、別々の友人に誘われて2回、当時のバイト先にいた後輩の女の子と1回、1人で1回の計4回。
「プラネタリアン」は、サークルの先輩に誘われて6人ほどの大所帯で1回。
シン・ゴジラはどハマりしてブルーレイを買ったし、君の名は。は4回見て4回とも楽しめたし、プラネタリアンは前情報一切なしで誘われるがまま行った割には結構おもしろかった。
1年で5回も映画館に足を運ぶというのは、僕にとってはかなり多い数字である。
去年は、DVDを借りてこれまた3作見た。
「サマー・タイムマシン・ブルース」「アドレナリン2 ハイ・ボルテージ」「ルビー・スパークス」の3作である。
「サマー・タイムマシン・ブルース」は、自宅で彼女と一緒に見た。
僕は高校生の頃に一度見たことがある作品なのだが、あまり覚えていないものの何かの話題で見ることになった。
2005年の邦画SFコメディで、「矛盾が生じていない完璧なタイムマシンもの」と言われているらしい作品である。
その辺の考察はしない人間なのでわからないが、それを抜きにしてもおもしろいし、彼女も楽しめた様子だった。
「アドレナリン2 ハイ・ボルテージ」は、自宅で一人で見た。
ジェイソン・ステイサム主演の、エログロ満載のB級感あふれるアクション映画で、前作となる「アドレナリン」は数年前に知人に勧められて見ていたので、ふと思い立って2も見てみた。
しかし、結果から言ってこれは楽しめなかった。前作以上にグロが激しく、前作は耐えられる範囲だったのが2は耐えられなかったために途中でギブアップ。結末は見ていない。
ルビー・スパークスは、自宅ではなく彼女の家で彼女と二人で見た。
2012年公開のアメリカの恋愛映画である。
かつて天才作家と呼ばれたもののその後は新作も出せずスランプに陥っていた主人公が、夢の中で現れた理想の女性を小説に書いたところ、その女性が現実に現れ、しかも小説に書いた通りのことが起こる……という話だ。
これは素直におもしろかったと思う。カップルで見るのにオススメ……かどうかは微妙なラインだと正直思うが、恋愛ファンタジー映画が好きなら楽しめるだろう。
余談だが、主人公役の俳優とヒロイン役の女優は本当に恋人関係にある二人が演じているらしい。
今年は、1月だけで4作も見た。これは驚異的なペースである。
「怒り」「嘘を愛する女」「500日のサマー」「リアル・スティール」の4作だ。
「怒り」は、自宅で彼女と二人で見た。
2016年の邦画ミステリである。
これに関しては口を開けば文句しか出てこなくなってしまうのであまり語らないが、個人的には最悪の映画だ。夢中で見ている彼女を放置してギブアップするほど見るのが苦痛だった。一言でいうと、救いがなさすぎてなんで見ているのかわからなかった。
「嘘を愛する女」は、公開初日に彼女と映画館で見た。
まだ上映しているかもしれないので内容については触れないが、彼女が高橋一生のファンなので高橋一生目当てに見に行った。
結果から言うと、それなりにおもしろかったが、見ている最中は苦痛過ぎて何度も時計をチラ見していた。
「500日のサマー」は、アマゾンプライムで自宅で一人で見た。
2009年のアメリカのラブコメディである。
運命の恋を信じる主人公と、運命の恋なんて信じないヒロインの500日の恋を描いた話だ。
映画好きな彼女の一番好きな映画であり、かつ彼女の友達の女の子が言うには、彼女はこの映画のヒロインのサマーに多大な影響を受けているという話だったので興味本位で見た。
サマーに振り回される主人公が自分と重なって複雑な気分にはなったが、おもしろい映画だと思う。僕のように複雑な気分になる要因がなければなおさらだ。
この作品の何よりいいのは、500日間を時系列順にただ見せるのではなく、過去と未来と行ったり来たりしながら目まぐるしく場面転換をおこなって見せているところだ。
これによって非常にテンポがよくなり、僕のような集中力のない人間でも見やすかった。
「リアル・スティール」は、これまたアマゾンプライムで一人で見た。
言わずと知れた最高の映画だ。僕はこの映画を既に8回程度見ている。
2011年のアメリカのロボット映画で、人間のボクシングが廃れロボット同士のボクシングに取って代わられた世界の話である。
この映画の素晴らしいのは、とにかくロボットの動きがかっこいい、ということに尽きる。
ひたすらに興奮しながら映像にくぎ付けになれるので、映画が苦手とか関係なしに楽しめるという寸法だ。ぜひおすすめしたい。
そして、今後見たい映画としては、17日公開の「パンとバスと二度目のハツコイ」がある。
元乃木坂46のメンバーで今は女優として活動している深川麻衣の主演作品であり、完全に深川麻衣目当てで見に行くつもりである。
元々彼女と二人で見に行く予定だったが、この調子だとまず実現しないので一人で見に行くことになるだろう。
また、古い映画だが、「ニュー・シネマ・パラダイス」と「小さな恋のメロディ」をそのうち見たいと考えている。
いくら映画が苦手と言えど、教養として名作映画はある程度見ておくべきだと思うし、彼女が戻ってきてくれたときに話のネタになったらいいなあという健気な想いがあるのだ。未練たらたらもいいところだと思う。
そんな調子なので、2018年は過去最高に映画を見る年になりそうな気がしている。
映画が苦手という話から始まって、最近見た映画のレビューになり、最後は映画を見たいという話になるわけのわからない記事ができてしまった。
まあ、たまにはこういうグダグダした文章を書くのもいいだろう。だってここ、僕のブログだし。
映画館が苦手なのはしばらく直らないだろうが、自宅でDVDや配信サービスを使ってみる分には特に周りを気にする必要もないし、疲れたら休憩すればよいので、少しずつ映画にも触れるようにしていきたい。
映画をもっと楽しめるようになれば、誰かと感情を共有できることも増えるだろう。
自分のペースで進めればいいんだ。