荷物持ちでも構わない

文系大学4年生からデータサイエンティストを目指して頑張りつつ、書きたいことを書きたいときに書きたいだけ書く、ルール無用雑記ブログ。

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通院生活1日目:自閉症スペクトラムとADHD

今日生まれて初めて心療内科にかかり、「自閉症スペクトラム」と「ADHD(注意欠陥多動性障害)」と診断された。

自閉症スペクトラムとは聞きなれない病名だが、昔は「自閉症」「アスペルガー症候群」など細かく分類されていたものが、明確に区別するのが難しいとのことで最近はこう呼ばれているそうだ。

つまりアスペルガー症候群の症状も持っているということになる。

ネット上では、話が通じない人や自分の気に入らないことを言う人、なんとなくバカにしたい人に対して「アスペ」と呼ぶ人たちがいる。

僕はこれが昔から好きではなく、似たような用法の「ガイジ」に対しても強い嫌悪感を持っていた。

これはあくまで、その差別的な視点と無神経さに対する嫌悪感であったのだが、これからは自分のことを言われているという自覚がここに加わることになる。

これが何を意味するのか、今はまだわからないが、きっと嫌な思いをしながら生きていくことになるのだと思う。

この自閉症スペクトラムの特徴として、

  • 周囲の人への無関心
  • 空気が読めない
  • 1人で過ごすことを好む
  • 自分のペースが乱されることを嫌がる
  • 特定の物へのこだわりが強い
  • 人の気持ちがわからない
  • 融通が利かない
  • 会話が下手
  • 好きなことだけは極端に得意
  • 感覚が過敏

というものが挙げられるそうだ。ものの見事にすべて当てはまる。

心療内科の先生にも、「典型的な人だね」と言われた。

 

ADHDはそれなりに聞き覚えがあるし、聞いたことがある人も多いと思う。

ADHDの特徴としては、

  • 落ち着きがない(多動性)
  • 思ったことをすぐ口にする(衝動性)
  • 衝動買いが多い(衝動性)
  • ケアレスミスが多い(不注意)
  • 忘れ物やなくしものが多い(不注意)
  • 時間管理ができない(不注意)
  • 要領が悪い(不注意)

というものが挙げられる。こちらはドンピシャというほどではないが、まあそれなりに当てはまると思う。

 

この自閉症スペクトラムとADHDは併発するケースが多いらしい。

詳しいことはわからないが、僕が発達障害に気づかず21年間生きていたということはわかった。

実は昔から、うつ病やなんらかの心の病気を持っている自覚はずっとあった。

病的なまでの心配性、友達は少ない、緊張ですぐ体調を壊す、不安に苛まれてどうしようもなくなるときがある、など。

加えて、大学で実施される定期健康診断で、心の病気が疑われるとして精神科の受診やカウンセリングを毎回勧められていた。

ただ、これらは結局性格からくるものだと思っていたし、この程度で病名がついていたら世の中の半分以上は何らかの病気になってしまうだろうとして、特に病院には行かなかった。

胃の不調から内科に行ってストレス性のものと診断されたことはあるが、精神科や心療内科は避けていた。

 

ただ、去年の10月頃からずっと胃の不調が慢性化しており、加えて動悸や過眠症、蕁麻疹などストレスが原因と思われる症状が顕在化し、日常生活に支障をきたしていたため、ストレスの弱さが解消できればと考え、心療内科を受診した。

初診だったので、まず最初に普通の病院と同じように問診カードを書いた。

今の健康状態や困っていること、学生時代楽しかったか、いじめの経験はないか、友達はいるか、周囲にうつ病の人や自殺した人はいるか、などなど、結構な分量の質問があったと思う。

それを提出すると、診察前の問診が始まった。

内容としてはほとんど問診カードと同じような質問で、詳しい内容や気になることなどを聞かれただけだった。

心療内科なので、心の病気のカウンセラーとして想像するような、常にニコニコとした優しい雰囲気の人と話すのかと思っていたがそうではない。

ごくごく普通の病院の診察と変わらないような、淡々とした会話で問診は終わった。

 

そしていざ診察となった。

太っていて、60代ぐらいで、フチなしのメガネをかけた、いかにも「お医者さん」といった雰囲気の先生だった。

ここでも同じように問診カードや診察前の問診の内容を再確認された。

「典型的な人だね」などと言われながら診察は進んで行き、問診のメモに書かれた「カメラが趣味」という文字に先生の目が留まった。

「入選とかしたことあるでしょ?」

ここでは質問の意図はわからなかったが、確かに僕は写真でコンテストに応募し、入選したことがある。

入選というか、佳作なのだが、カメラのキタムラが半年に1回主催している大規模なコンテストで、生まれて初めての応募が佳作に選ばれたのだ。

そうして、一通り診察を終え、言い渡されたのが、前述の自閉症スペクトラムとADHDである。

先生が言うには、僕はこれらの「典型的、かつ重度」の患者なんだそうだ。

典型的なので完治が見込めるが、重度なので少なく見積もっても1年半は見ないといけないとのことだった。

写真の入選経験を訊ねられたのは、「コンテストで入選する=特定のもの(カメラ)へのこだわりが強い+視覚が人より過敏=自閉症スペクトラムの特徴に合致する」ということらしい。

これだけで自閉症スペクトラムと診断されることはないだろうが、ダメ押しというか、こういう傾向があることでより診断の裏付けが取れたのだろう。

 

その後はこれらの障害について一通り説明を受け、3週間分の薬を処方してもらい、飲み終わったらまた病院に来るよう指示を受けた。

ADHDの症状を抑える薬が1日1錠で21錠、気分を調節する薬が3種類、各1日1錠でこれまた21錠。

診察代と薬代で合わせて8000円ほど持っていかれたが、薬代については大学の保険で返金が受けられるということも教えてもらった。

 

薬を受け取ったあとの帰り道の足取りは重く、目に浮かぶ涙を通行人に見られないよう俯いて歩いた。

前述の通り、心の病気を持っている自覚はあったが、性格や甘えによる部分が大きいと考えており、特に病名を確定させたいとは考えていなかった。治療する気ももちろんなかった。

今回の診察は、ただストレスを軽減できるようになればよいとだけ考えて行ったものだったし、診断されるとしてもうつ病の類だと思っていたので、今回の診断は完全に寝耳に水だ。

うつ病は脳の病気なので後天的なものだが、自閉症スペクトラムとADHDは発達障害に属する先天的なものである。

つまり、僕はこの2つの障害を抱えていることに21年間気づかないまま生きてきたのだ。

差別的だと非難されるかもしれないが、「病気の人」と「障害がある人」では全く違うと思う。それはやはり、後天的か先天的かという違いによるものだろう。

後天的な病気だと思っていたら、先天的な障害だと発覚したのだ。

これはつまり、「生まれつき健常者ではなかった」ということを言い渡されたのと同義である。

「健常者じゃない」ことがわかるというのは、たぶん想像以上につらい。

少なくとも僕は、自分が障害者だと知ることがこんなにつらいことだとは思っていなかった。

自分が障害者だとわかったところで、生きやすくなるわけではない。むしろ余計に生きにくくなると思う。

今後何か自分が失敗することがあれば、心のどこかですべて障害のせいにしてしまうと思うし、障害を盾にしたくないので友人や職場の人に伝えることもしないだろう。

一応、親と友人の一人にだけはさっき伝えたし、このあと彼女にも伝えるつもりだが、他の人には伝えるつもりはない。

伝えたところで腫れ物扱いされるのが関の山、いいことなんか一つも起きないと思う。

基本的に、障害持ちであることは隠して生きていくことになる。

 

こうやって文章にしていたら少し落ち着いてきたが、やはり将来は暗いと思う。

ただでさえ就活に苦労しているのに、今後は障害持ちであることを隠しながら他の学生よりも優れていると思わせなければならない。ハンデ戦もいいところだ。

幸い、今の職場はいつでも受け入れてくれるそうなので、障害持ちであることを隠していればフリーターになることはないだろうが、自分の就きたい仕事に就ける可能性は低くなる。

年単位で治療をしていけば最終的に薬なしで健常者と同じように生活できるようにはなるらしいが、正直懐疑的だ。

どのみち完治するとしても社会に出てからになるので、生き辛さを感じるのは恐らく避けられない。

 

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 とりあえず、最初の一歩としてアマゾンでこの本を注文した。

自分の障害と折り合いをつけられるようになるかはわからないが、まずはこの本を読みつつ処方された薬を飲んで、次回の診察の日を待とうと思う。