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文系大学4年生からデータサイエンティストを目指して頑張りつつ、書きたいことを書きたいときに書きたいだけ書く、ルール無用雑記ブログ。

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口で語る人・資料で語る人|認知特性から伝わるプレゼン方法を探る

人間には、「目で見て覚える人」と「耳で聞いて覚える人」の2種類がいる、という話を、以前このブログで記事にしたことがある。

のちにツイッターで教えてもらったのだが、これの有名な元ネタに、ドラッカーの『経営者の条件』という本があり、そこでは「読む人」「聞く人」という分け方がされているらしい。

要は目を使う人と耳を使う人の2種類がいるというほとんど同じ話で、仕事を円滑に進めるために、部下や同僚がどちらのタイプかを把握しておけ、というのがドラッカーの原著の主張なんだそうだ。

今回は、前回の記事の続きで、「目で見て覚える人は人に見せようとするし、耳で聞いて覚える人は人に聞かせようとするんじゃない?」と思ったのでまとめてみる。

前回の記事を読んでいない人は、こちらから先に読んでほしい。

www.messyer813.com

「認知特性」のおさらい

目で見て覚える人」「耳で聞いて覚える人」という人それぞれのものの覚え方の特性のことを、「認知特性」という。

正確には、「目で見て覚える人」のことを「視覚優位」、「耳で聞いて覚える人」のことを「聴覚優位」という。

本当は「字を読んで覚える人」という「言語優位」というのもあるらしいのだが、ややこしいので前回と同様なかったことにする。

口で語るプレゼン、資料で語るプレゼン

大学生または社会人であれば、誰しも、パワーポイントを使ったプレゼンを見た(聴いた)経験があるだろうし、自分でプレゼンをした経験もあると思う。

そのプレゼンで重要な役割を果たすスライド資料の作り方に、認知特性が多大な影響を与えているのでは?というのが今回の記事の要旨。

プレゼンをする人は、大きく分けて2種類いる。

口で語る人」と「資料で語る人」だ。

口で語る人は、耳で聞いて覚える人(聴覚優位)

スライド資料には画像やグラフ、キーワードや簡単な説明のみ載せて、伝えたい内容のほとんどを口頭で喋るスタイルでプレゼンをする人がいる。

こういう人が、「口で語る人」にあたる。

口で語る人の作るプレゼン資料は、それを見るだけでは伝えたいことの内容を理解するのは難しい。

重要なことは言葉で伝えて、プレゼン資料はその補助として使っているだけだからだ。

こういう人は、十中八九、耳で聞いて覚える人(聴覚優位)だ。

ちゃんと調べたわけじゃないが、たぶんそうだと思う。

自分が耳で聞いた方が覚えやすいから、人に何かを伝えるときも耳で聞かせるように伝えてしまうのだ。

口で語る人のプレゼンは、目で見て覚える人にとっては地獄の時間である。

資料を見ても何がなんだかわからない。重要なことを喋っているようだが、耳で聞いて覚えることが苦手なので全て脳を素通りしていってしまう。

大学教授なんかは、授業に集中させるために、わざと重要な内容を資料に載せず、口頭で喋って学生にメモさせようとする人がたまにいるが、あれは教育者としては最悪だ。

こっちは学費を払って授業を受けているのだから、伝えるべきことはちゃんと伝えてほしい。

資料で語る人は、目で見て覚える人(視覚優位)

一方で、スライド資料に伝えたい内容を全部載せて、実際のプレゼンでは資料をなぞりながら補足説明をするだけ、という人もいる。

これが「資料で語る人」にあたるのだが、僕は完全にこれだ。

プレゼンを聞いていなくても、資料さえ見れば内容がわかるように資料を作る。

結果、スライドの枚数は多くなり、文章量の多いごちゃついた資料が出来上がる。

しかし、僕にとってはそれが最善の資料の作り方なのだ。

だって、耳で聞いてもわからないし。自分で資料に目を通した方が早いし。

だが口で語る人のプレゼンが目で見て覚える人にとって地獄の時間になるように、

資料で語る人のプレゼンは恐らく耳で聞いて覚える人にとっては地獄の時間だろう。

喋って説明してくれれば楽なのに、わざわざ資料を見ることに労力を注がなくてはならない。

認知特性が違う人同士のプレゼンの時間は、どっちにとっても不幸な時間になるのである。

「認知特性」を踏まえた上で最良のプレゼン方法は何なのか?

認知特性がプレゼンにもたらす不幸なズレを理解したところで、聴衆の認知特性に関わらず、どんな人にも確実に伝わるわかりやすいプレゼンの方法を探ってみたい。

視覚優位と聴覚優位の両方に伝えようとすると最悪なプレゼンが出来上がる

目で見て覚える人と、耳で聞いて覚える人、その両方に確実に伝えるプレゼンの方法は、「スライド資料に重要なことを全て載せた上で、口頭で同じことを説明する」という方法だ。

これなら、目で見て覚える人は資料を見れば理解できるし、耳で聞いて覚える人はプレゼンターの話を聞いていれば理解できる。

しかしこのプレゼンのやり方は一般に最悪の方法とされる。

資料で伝えて、口でも伝えるというのは、言ってしまえば「二度手間」だからだ。

目で見て覚える人からすれば、大事なことは全て資料に書いてあるし、口頭で補足説明もないのなら、わざわざそのプレゼンを聞く必要がない。

自分で空いた時間に資料に目を通せばそれで済む話だ。

耳で聞いて覚える人からすれば、確かに重要なことを耳で聞けるので理解は進むかもしれないが、その理解の助けになるはずの資料がわかりづらくて仕方ない。

喋っている内容と同じことがずらずらと書き連ねてあるだけの資料なんか、耳で聞いて覚える人にはあるだけ無駄なのだ。

プレゼンで重要なのは、言葉と資料のバランスと認知特性の理解

目で見て覚える人に向けたプレゼンは耳で聞いて覚える人には苦痛になり、

耳で聞いて覚える人に向けたプレゼンは目で見て覚える人には地獄になる。

そして、両方に同じ内容を同じだけ伝えようとすると、わかりづらい上に時間の無駄という最悪のプレゼンができあがる。

聴衆が全員目で見て覚える人だったり、逆に全員耳で聞いて覚える人だったら話は簡単なのだが、残念ながら現実はそうはいかない。

結局のところ、大切なのは「バランス」なのだと思う。

そして、そのバランスをうまく取るためには、「認知特性への理解」が必要になる。

自分が視覚優位を持っているなら、聴覚優位を持っている人もいることを知る。

自分が聴覚優位を持っているなら、視覚優位を持っている人もいることを知る。

そうした理解があれば、実際にプレゼンで伝えることを組み立てるときに、

「この説明は目で見て覚える人にはわかりにくいかな?」

「このスライドは耳で聞いて覚える人には伝わりづらいかな?」

といった具合に、事前に軌道修正を図ることもできるようになる。

資料を見れば伝えたい内容が理解できるように、骨組みとして必要最低限のキーワードや図を資料に載せておき、

それに肉付けするように口頭説明でシナリオ作りをするのが、たぶん万人に伝わる最良のプレゼン方法なんじゃないだろうか。

目で見て覚える人は資料を見れば大体理解できるし、骨組みが頭に入っていれば耳から聞こえてくる言葉も理解しやすい。

耳で聞いて覚える人は口頭説明で伝えたいことがわかるし、資料を見れば特に重要なことが何なのかがわかる。

そんなバランスの取れたプレゼンなら、その場にいる人全員がハッピーになれる気がする。

まとめ

僕はプレゼンのプロでもなければ認知特性の専門家でもないけれども、ふと認知特性とプレゼンの関係性について考える機会があったので、こうして記事に起こしてみた。

僕のプレゼンは完全に資料で語るタイプなので、これからは耳で聞いて覚える人にとっても伝わりやすいように、資料の無駄を減らして口頭説明を増やすなどの工夫をしていけたらいいなと思う。

そして、口で語るタイプのプレゼンターは、もう少し資料を充実させてくれると助かるなあと思う。

プレゼンターも聴衆も、貴重な時間を使ってその場にいるわけだから、せっかくなら、全員がハッピーになれるような有意義な時間にしたいところだ。