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文系大学4年生からデータサイエンティストを目指して頑張りつつ、書きたいことを書きたいときに書きたいだけ書く、ルール無用雑記ブログ。

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『誤解だらけの人工知能』の感想|来たるAI時代を文系が生き抜く方法

誤解だらけの人工知能~ディープラーニングの限界と可能性~』という本を読んで、いろいろ思うところがあったので、書評というほどしっかりした文は書けないけれども、読書感想文程度のものを雑記として書いてみようと思う。

人工知能開発者の考えを具体的かつわかりやすく翻訳した本

この本は、実際に人工知能の開発の現場に立つ専門家と、人工知能の専門知識を持たないデータサイエンティストの二人の共著で書かれた本である。

共著というか、対話形式で書かれており、「人工知能の専門家の考えを、人工知能の専門家ではない人向けに翻訳した本」という形になっている。

人工知能について具体的に書かれた本は、人工知能の専門家向けに書かれたものがほとんどなので専門家以外には難しすぎて読めず、

専門知識がない人でも読めるわかりやすい本は、筆者が人工知能の専門家ではない場合が多いために抽象的でぼんやりとした内容になっている、というのが現状らしく、

その現状に一石を投じるべく、人工知能の専門家と人工知能の素人の対話形式で話を進めていくことで、人工知能の専門家による具体的で正確な意見を、人工知能の素人でもわかるような易しい表現でまとめたのがこの本だ。

コンセプト通り、人工知能素人の僕にとっても大変わかりやすく、かつ人工知能についての具体的な理解を深められる一冊になっていると感じた。

2018年の人工知能=ディープラーニング?

この本によれば、2018年現在の人工知能ブームは第3次人工知能ブームにあたり、2018年時点で人工知能とは何かを定義するなら、「人工知能=ディープラーニング」なんだそうだ。

ディープラーニングとは機械学習の一つで、ニューラルネットワークと呼ばれる、人間の脳の情報伝達組織を模したプログラミング技術を用いて、膨大な量のデータを機械に学習させることで、その機械にデータの「分類」をさせるものらしい。

ディープラーニングを用いた事例として世界的に有名なのは、アルファ碁と呼ばれる人工知能が、世界最強と言われる韓国のプロ棋士イ・セドルを打ち破った試合などがある。

あれは、膨大な量の過去の棋譜(囲碁の対戦記録)をディープラーニングによって人工知能に学習させ、囲碁の試合中に想定されるあらゆる場面においての「最適解」を見つけ出すことで、人間よりも囲碁が強い人工知能を誕生させたものだ。

ただし、アルファ碁はディープラーニングによって棋譜のデータを学習し、勝てる手とそれ以外を分類しているだけに過ぎず、囲碁が強いなら将棋も強いのかと言うと、将棋については全く知らない(ディープラーニングによって学習していない)ため、まるで試合にならないらしい。

そして、2018年時点での人工知能は、人間から与えられた膨大なデータをディープラーニングによって学習してその学習を元にデータを分類しているに過ぎず、その分類の理由を考えたり、データにないものを類推するということができない。

人間なら当たり前にできるこれらの思考を、本書では「ディダクション(演繹法)」と呼んでいて、人工知能がディダクションを習得するには第4次人工知能ブームを待たねばならないらしい。

それまでのしばらくの間は、人工知能=ディープラーニングであり、ディープラーニングを使っていないものは人工知能ではない、というのが本書のスタンスである。

人工知能は徐々に人間の仕事を代替していく

人工知能と言えば、2045年にシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れ、人間よりも賢い人工知能が、さらに賢い人工知能を作っていくことで指数関数的に知能が向上していく、という噂がまことしやかにささやかれている。

2045年を境として、爆発的に人工知能が進歩して人間の仕事を奪っていくというものである。

しかし本書では、人工知能が突如世の中に台頭して人間の仕事を奪っていく、ということはなく、

例えば飲食店であれば、まずはそこで働く人間を補助する役割のロボットが作られ、次に注文を取るロボット、レジ打ちをするロボット、というように何か一つの仕事に特化したロボットが作られ、最後に人間の力を借りることなく一通りの仕事ができるロボットへと統合されていく、と予想している。

シンギュラリティは突如訪れるのではなく、徐々に人工知能が人間の仕事を代替していき、人間が「いつの間にか自分の仕事ないな」と気づいたときがシンギュラリティなんだそうだ。

現実世界はSFのようにはいかない、というのが現在の人工知能専門家の見解である。

「自分の仕事がAIに奪われるかもしれない」恐怖にどう対処するべきか?

本書では最後に、「いつか自分の仕事が人工知能に奪われるかもしれない」という恐怖に対して、今からすべき行動は何かを示唆している。

そもそも本書では、人工知能は仕事を「奪う」のではなく「代わりにやってくれる」もので、人間は労働収入の代わりにベーシックインカムで生活するようになる、というスタンスを取っているのだが、それでもいつか来る「自分の仕事がなくなる時」に備えて何をすべきか、というのを説いている。

来たる人工知能時代に備えて、今からやっておくべきことは大きく分けて2つで、

  1. Pythonを覚えて人工知能を作る/使う人間になる
  2. YouTuberのような個人としての価値を高める

ということが挙げられている。

1つ目は、人工知能開発で盛んに使われているプログラミング言語のPythonを覚えることで、人工知能を作る側の人間に回るということ。

人工知能がいくら進歩しても、それを作る人間、使う人間はいるはずで、そうした立場になるために、まずはPythonを勉強しろという。

僕もPythonは一応ほんの少しだけ触ったのだが、環境構築の難解さに投げ出してしまったので、本書を読んで、もう少しだけがんばってみようかなと思った。

 

2つ目は、人工知能に代替されない人間独自の役割として、YouTuberやインフルエンサーのように、個人としての価値を生み出せということ。

人工知能を作ったり使うのではなく、人工知能に負けない人間になれという。

そしてその手段として、ブログやSNS、VALUといった、人としての価値を表現するものを始めるべきということが書いてあった。

これはまさしく僕が今実行していることで、こちらももっとがんばろうと思えた。

このブログで書いたことがあるかどうかは覚えていないが、このブログの目標は、僕の名刺代わりに使えるぐらい大きくすることなので、その目標に向けて今後もがんばっていこうと思う。

応援よろしくお願いします。

まとめ

一応僕もクラスター分析やベイズ学習といった機械学習の手法の一つを使った経験があるので、人工知能を使っている側の人間の端くれではあるのだが、やはりこれからの時代はPythonを覚えないといけないなと再認識させられた一冊だった。

最近ではJuliaという新しいプログラミング言語がアツいらしいが、まだしばらくはPythonの天下が続きそうだし、早めに統計検定2級を片付けてPythonに本腰を入れていきたいところである。

Rももちろん使っていきたいが、Pythonの方が書籍や情報が多いので、やはりPythonでできることはPythonでやった方が早いのだろう。

そして、個人としての価値を生み出す、という話についても、このブログを大きくしていくことで、僕にしかない価値をもっと高めていけたらいいなと考えている。

第4次人工知能ブームがいつやってくるのかはわからないけれども、その頃にはこのブログも見違えるほど大きくなっていることだろう。

まあ、それまで続けていられればの話ではあるが。

そんなわけで、『誤解だらけの人工知能』は、人工知能への理解を深めるとともに、自分を奮起させられる良書であった。

「具体的かつわかりやすい人工知能の本」というコンセプトは確かに本物だと思う。

新書なのでボリュームも価格も抑えめなところもいいポイントだ。

人工知能に興味がある人も、特に興味がない人も、教養として読んでおくべき一冊と言っても過言ではない本なので、ぜひオススメしたい。