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文系大学4年生からデータサイエンティストを目指して頑張りつつ、書きたいことを書きたいときに書きたいだけ書く、ルール無用雑記ブログ。

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千葉の劇団RAILWAY「賢者の贈り物」を見て舞台鑑賞が趣味になりそう

昨日は大学の知り合いの女の子がミュージカルに出演するということで、その女の子に釣られるがままに公演を見に行ってきた。

題目は「賢者の贈り物」。

ほんの50分程度という短い公演だったが、舞台鑑賞を趣味にしてしまおうかと思えるぐらい最高な時間を過ごせたので、大したものは書けないが、感想を書いておこうと思う。

願わくば演者の方々に届きますように。

千葉の劇団RAILWAY演じる「賢者の贈り物」

無教養な僕は観劇を終えてから知ったのだが、今回の題目「賢者の贈り物」の原作は、オー・ヘンリーという1900年頃に活躍したアメリカの作家の代表作らしい。

そしてそれを演じるは、劇団、と言っていいのかはわからないが、RAILWAYという団体。

もらったパンフレットによると、「RAILWAYは、千葉市内の『ミュージカルやってみたい!』という10代~30代を中心に、みんなでいろんなことにチャレンジする拠点のような場所です。」とのこと。

今年の2月頃に「銀河鉄道の夜」のミュージカルを見たという記事を書いたが、その銀河鉄道の夜の公演をきっかけに発足した団体なんだそうだ。

本当に小さな団体で、今回の「賢者の贈り物」の会場も、お世辞にも立派な舞台とは言えない、それどころか舞台ですらない、ビルの一角の小さなコワーキングスペースであった。

観客は20人もいるかどうかといった具合で、いかにも学生の活動といった様相のこじんまりとした雰囲気を漂わせていた。

開演ギリギリに会場入りした僕は、ちょうど一つだけ空いていた、一番後方の、入り口のドアから一番近い席に座った。

語り部を務める少年の前説と、舞台となる20世紀初頭のアメリカへのタイムスリップ

会場の後ろのドアが大きな音を立てて開け放たれ、赤い服を着た少年(演じているのは女の子なのだが)が突如観客の前に飛び出してくるところから公演が始まった。

その少年によると、これから始まる物語は、20世紀初頭(聞き逃して後から調べたので違うかもしれない)のアメリカでのお話らしい。

本当に申し訳ないことに、会場入りする直前に全くの別件でちょっとごたついたせいで少年の話に集中できておらず、最初の前説の内容はほとんど覚えていないのだが、とにかくわかったのは、今から100年以上前のアメリカで暮らす若い夫婦のクリスマスの物語だということ。

そして、当時のアメリカはとにかく不況にあえいでおり、物語の中心となる若い夫婦も、不況の煽りを受けて貧しい暮らしを送っているということ。

夫のジムは、町の工場で働いているが、その工場も例によって不況に苦しんでおり、ジムの給料は減給されて週にたった20ドル、それに年明けのボーナスも出ないという有様。

妻のデラは、主婦として家事をしながらも、買い物をするときは限界まで値切ってわずかばかり浮いたお金を貯金して、加えて内職をしてジムの少ない収入の足しを作って暮らしていた。

ジムの宝物は父の形見の銀時計、デラの宝物は亡くなった母譲りの綺麗な長い髪

そんな貧しいジムとデラにはそれぞれ宝物があった。

ジムの宝物は、ジムの父が、そのまた祖父から代々受け継いできた形見の銀時計。

デラの宝物は、デラを産んですぐに亡くなってしまった母親譲りの腰まで届く綺麗な長い髪。

どちらも周囲から羨まれるほど素晴らしいものだったが、ジムはデラへの贈り物を買うために、デラはジムへの贈り物を買うために、それぞれの宝物を売り払ってお金に換えることを決めてしまう。

ジムの銀時計は、大事な時計を壊してしまって困っていた語り部の少年に55ドルで買い取られ、

デラの長い髪は、町の髪飾り屋でかつらの材料にするために40cm切って40ドルで買い取られたのだった。

ジムはデラの綺麗な髪に合う櫛を、デラはジムの銀時計に合う鎖をプレゼントに選ぶ

大事な宝物と引き換えにお金を工面したジムとデラは、お互いの宝物をもっと素晴らしいものにするために、それぞれにプレゼントを買って家に帰る。

ジムが家に着くと、そこには腰まで届く長い髪をバッサリと切ってショートヘアになってしまったデラが先に帰っており、ジムはデラのその姿を見て呆然と立ち尽くしてしまう。

「髪、切っちゃったんだ」

「あなたにプレゼントを買うために、売ってお金に換えてもらったの。ねえジム、私の見た目が変わっても、私のことを好きでいてくれる?」

言葉を発せずにいるジムに対し、次第に涙声になるデラは、とうとう耐え切れずにその場から逃げ出そうとして、ジムの脇を走り抜けようとしたところをジムに抱き寄せられる。

「見た目が変わってもデラはデラだよ。僕が買ってきたプレゼントを見たら、僕がどうして何も言えなかったかわかるよ」

デラがジムから手渡された小さな包みを開けると、デラがいつも眺めていた櫛が入っていた。

ジムがデラの長い髪に合わせて選んだプレゼントのはずが、それを受け取ったデラは髪を売って短くしてしまった後だったのだ。

「ありがとう、ジム。私の髪、すごく伸びるのが早いのよ。私からもプレゼントがあるの」

ジムがデラから手渡された小さな包みの中身は、上等な時計用の鎖だった。

デラがジムの銀時計に合わせて選んだプレゼントのはずが、それを受け取ったジムは宝物の銀時計を売ってしまった後だった。

「ねえ、デラ。僕たちのクリスマスプレゼントは、しばらくしまっておこう。今の僕たちには上等すぎるから」

皮肉めいた物語の最後に、語り部の少年がサンタクロースの格好で現れる

ジムはデラの宝物をもっと素晴らしいものにするためにジムの宝物を売ってしまい、

デラはジムの宝物をもっと素晴らしいものにするためにデラの宝物を売ってしまった。

あまりにも皮肉めいた結末だが、最後に語り部の少年がサンタクロースの格好をして現れる。

「来年のクリスマスは、この銀時計をジムの靴下に入れておこうかな。あっ、その頃には、デラの髪も伸びているかもしれないね」

皮肉めいた結末でも、ジムとデラは2人で幸せなクリスマスを過ごし、サンタクロースの粋な計らいによって、皮肉は真のハッピーエンドに変わる。

ここまでで、貧しいけれども幸せな、若い夫婦の物語はおしまい。

原作あってのものとは言え、最後まで引き込まれっぱなしだった50分間

今回の題目「賢者の贈り物」は、オー・ヘンリーの原作を元にしたミュージカルなので、あくまでオー・ヘンリーの原作あってのものではあるのだが、

貧しい夫婦の苦しい生活感、お互いを想うばかりに行違ってしまう2人の行動、宝物をなくしてしまったことを知った2人の後悔、それでも幸せなクリスマスを過ごした2人の愛が、

ジム役とデラ役の演技力と、それを支える舞台の構成・演出、そして会場の狭さが逆に良い方向に働いた臨場感などが相俟って、最後まで引き込まれっぱなしの50分間であった。

特に、髪を切ったことをジムに知られてしまったときのデラの演技は素晴らしく、どんどん涙声になっていくデラを見て、つられて泣きそうになってしまったほどだ。

もちろんジムの演技も素晴らしく、ジムの宝物が僕の好きな時計だったということもあり、僕がジムの立場ならどうしただろうか、とか、いつか結婚したときに奥さんをお金に困らせるようなことがないようにがんばろう、とか、いろいろと感情移入したり感化されたりということが多くあった。

今回はあらすじをざっと書いただけなので省いてしまったが、もちろんジムとデラ以外の登場人物や裏方のスタッフ全員で作り上げられた作品だと思うし、ミュージカルとしての完成度も非常に高かったと思う。

元々舞台を見るのは好きなので、これから新しい趣味として舞台鑑賞を始めてみようか、なんて思わされてしまった。

RAILWAYの活動は今後も千葉県各地であるようなので、都合がつけば追いかけてみるのも面白いかもしれないな、なんて考えている。

今は学生が中心の小さな小さな団体でしかないが、そのうち全国的に名の知れた劇団に成長してくれるかもしれない。

RAILWAYの今後に期待が高まるばかりである。

まとめ

ミュージカルを見て、舞台鑑賞の魅力に取りつかれてしまった話。

千葉なら今の家からも近いし、今後も定期的に舞台鑑賞ができればいいなあと思う。

根がオタクなので、「追っかけ」のようにならないように気を付けないといけないが、RAILWAYの成長は見守っていきたい。

もちろんRAILWAYの活動だけでなく、機会があれば他の舞台も見に行ってみたいところ。

最近すっかり出不精になってしまったので、こういう強制的に外出させられる趣味ができるのはいいことだ。

続きはまたいつか舞台を見に行ったときに。